| 制作に関係する着想や意図、経緯、創意工夫、技法、 制作に使った資料と、 下絵(エスキース)等についての紹介と説明 |
資料やモチーフにした地域、風景、モデル等の 紹介と説明、制作でのエピソード |
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| タイトル:垂涎の山月と鳴子峡 | |
| 着想については合板に有るゲル状のリンシードオイルの 固まりが、この作品を造る大きな要因になった。 このゲルが月の光として光沢のある輝きを持てば 良かったのだが、なかなか上手くいかなかった。 厳密にいうとこのゲルは絵具ではなく、顔料の接着剤等 としての樹脂入りのオイルの固まりで、そういった ゲルとその周りの風景画との対比と、月としてのゲルが 幾らか持つ象徴性や神秘的な感じが良い風に風景画と 合わさればと思っていた。 ゲルの垂れた感じは偶然そうなったが、技法的に言えば ドリッピングになるのかも。 絵を描いた合板の下地が赤色なのが、作者としては 珍しく特徴的。 合板と組合わせたF10号のパネルの彩色には手間が かかった、絵に合う色がなかなか見つからず水彩絵具を 重ねて塗って造った。 |
宮城県の鳴子温泉にある鳴子峡をモチーフにしたが、 私が旅行で泊まったのは中山平温泉。 左の記事に有るゲルに合う風景を、過去に撮った写真で 探していたら鳴子峡の感じと合うと思い、イメージを 固めていった。 旅行した時は夏の終わりで雨がよく降っていた。 歩いて観光する人やハイキングをする人が殆どなく、 鄙びた感じを味わった。 「日本の自然を描く展」の展示で、仙台市にある せんだいメディアテークでの巡回展を観るためという のもあり、ついでに訪れた。その時展示された絵の タイトルは「九十九里浜のスケッチと構成」。 この地域を描いた絵はF10号でもう一枚ある。 電車の乗り換えで鳴子温泉駅に着いたのが夜だったので、 その時の感じが印象的だった事を描いた作品。 |
| タイトル:承接模索 | |
| 余り良い着想では無いが、ゴミの分別が当時住んでいた 地域であり、紙類分別の紙類を取って置いていた。 特別に注目していた分けではないけれど、紙でできた 製品の箱の材質やデザインに依っては何か制作に使える のではないかと思った事があった。 材質やデザインは商品の高級さや流通の広さ、その地域 特産物、作られた年代で様々で、見ていて綺麗と思える 物もある。 実際は生活の中でよく買うものが多くなるので、食べ 物や生活必需品の紙類が多くなり、なぜか制作に使用 する機会も多くなった。 装飾を活かした絵を余り描いた事がなく、そういった デザイン感覚や知識が乏しいので、嫌厭していた。 制作を続けて資料を集めてみるものの、制作する作品に そういった要素が少ない。 風景や植物の絵を描いていると、いい景色や近現代、 古い建物等の景観をモチーフに、気候や季節等が 影響した情景になり、描いていて悪い気分では無いが、 上記にある今まで何となく感じてきた未発と言うか 未進と言うかそういった部分を造ってみたいと思った。 当然装飾やデザインが浮かばないので、道具や コラージュの技法に助けてもらって仕上げた。 資料となった写真を見て構図とデザインやコラージュ される材料の取合せを決めて、試作無しで制作した。 墨汁を使用したが、紙の材質に依っては弾いて描けな かったり、基底材の水彩紙に直接描いた下絵に コラージュの形を合わせるのに手間が掛かったりした。 装飾的な線や色の部分が強くなり、描写の入る部分を 活かせるかについても考える事になった。 |
山形県酒田市にあるNKエージェントビルと自転車を 景観に描いた作品。 NKエージェントビルは映画「おくりびと」で撮影に 使用された建物。 海向寺という寺から下り坂を行くとこのビルに突き 当たり、その景観を写真で撮った。個人的には好みで あったものの地味に思え、撮った画像をそのまま使う のか考える事となった。携帯電話のカメラを使用した ので画像が荒かったが、資料として十分使えた。 モチーフにした場所付近には日和山公園や日枝神社が ある。自転車はレンタサイクルで、マリーン5清水屋と いう百貨店で借りて、酒田港や庄内砂丘のある 海岸線沿い等を探索していた。私がサイクリングした のは飽海郡遊佐町の比子の辺りまでだったように 思えるが、記憶が確かでない。風力発電用の風車と 思われる物が何基かあったのを見た記憶がある。 庄内砂丘は安部公房の小説「砂の女」の着想の場に なったらしい。 コラージュのデザインを考えていて、このビルの 上にある空をティッシュの紙箱であるピンクの 水玉模様で、自転車をカレーの紙箱である赤と金色の 柄に出来たのがちょっとした楽しみだった。 |
| タイトル:播種育生 往昔の蓮種 | |
| 東北を絵の題材探し等の旅行をしていて、その時撮影 した写真から選んで描くモチーフを決めた。 撮った写真の中で大きな葉の植物があり、「蓮?」と 思って調べた所、中尊寺蓮という古代の蓮だった。 図書館に行き中尊寺についての図書を調べると、この 蓮についての話が多く出てきた。中尊寺にある植物な だけあって、描くのが躊躇われる位の話があり、私が 描いてもいいのだろうかとそれなりに結構思えた。 それでも完成出来たのは、撮れた写真が良かったから だと思う。 アクリル絵具で下絵を描いて、その上に油彩で仕上げ まで描いた。 この絵の制作では、アクリル絵具を使って描く事と、 油彩の溶き油を日頃使って無い物を使用して描く事を 計画していた。 黄変しない溶き油を探して描いた絵で、光沢と艶が 増していつもの絵と幾らか感じが変わった気がする。 黄変を無くして描いてみて思ったのは、黄変を余り 気にしなくていいと思える様になった事で、リンシード オイル等大半の溶き油に色が薄くあり、メディウムにも 色が薄くある。絵具に混ぜると色が薄く変わる訳で 当然で、余り気にしないで有る物で最良の色を作る 事が、自分にはいいと思えた。 今まで“色が幾らか変わる”と思いながら使っていた という、その気持ちを変えていかないととそれなりに 思えた。 検討や疑問を解決する事が今後も付き纏っていくので、時々に解消出来ればと思う。 今後は艶や光沢について調べていけたらと思う。 |
平泉の地域にある遺跡や自然風景を取材して、いい 題材を探していた。 取材する場所が多くて、ガイドやパンフレットにある 全ての観光場所を回ることは出来なかったが、気楽に 散策していた。 蓮を撮影した頃は夕方になりかけていたと思う。 蓮の花が咲いていたり、日が差している頃を撮影して いたら感じが違っていたと思うが、描くだけの題材が 見つかって良かった。 特に目当てにしていた訳では無かったが、訪ねた時期に 中尊寺では、秘仏「一字金輪佛頂尊」が開帳されて いたので拝ませてもらった。それと、天台寺という 瀬戸内寂聴師が住職をしていた寺の本尊である、 聖観音立像も拝む事が出来た。 平泉の地域はとても謂れと仏教の歴史がある所で、 その辺至る所にそういった話しがあるので、不心得者が ばれない様に行儀良くしなくてはと、この記事を書いて いて改めて思えた。 |
| タイトル:蝙蝠 | |
| 落書きの様な絵になってしまったが、「生息地」と 同じく水彩絵具とアクリル絵具、アルキド樹脂絵具を 用途に合わせて描く事を考え、ドローイングしていった。 色の模様や絵具の質感が出来ていくのだが、具体的に 何を描こうか考えながら筆を動かしていると、仕上がった 作品の様な蝙蝠の形になっていた。 水彩画の本紙に、色紙に色鉛筆で着彩した裏紙を取付けて 完成させた。蝙蝠がモチーフなので裏紙の色をどうし ようかと決めかねたりもした。 |
新型コロナウィルス感染症が流行してしまったので、 蝙蝠についての世間でのイメージは良くないと思うが、 昔は夕方になるとそこら辺を飛んでいた。 制作当時はそんな感染症が流行るなんて思ってもいない 世の中で、地味な動物を描いてしまったとか、展示して くれる所が無いなと思っていた。 その生態が分からないので図鑑で調べて、どの様な 動物か一応は知ったつもりでいたけども、幾つかの 感染症の原因になっていたり、疑われている事は載って いなかったので、その事を流行後に知って気持ちが 動揺し、身が固まってしまった。 図鑑を詠んだ時は哺乳類で唯一飛べる存在とか、 超音波を使って夜でも飛行できるとかいう所に好感を 持っていたが、今では支持すると世間から不味い事に なるなと思う2020年6月だった。 日本の蝙蝠事情はどうなんだろうか。 |
| タイトル:生息地の情景 ドローイング | |
| 紙にドローイングした後、暫く放って置いて有って、 気になり見る度にどうしようかな、何かイメージが 湧いてこないかなと思う状態だった。 先にドローイングがあったのでその描かれた状態に 具体的なイメージを考え、加えて仕上げようと思った。 その後、以前田沢湖を訪れた記憶や写真を思い出し、 ドローイングから受けた私のイメージを助ける役割に なった。(実際、他人がこの絵を見た時にはそういった 場所を感じる事は少ないと思う) ただの風景と大きく違うのは刷毛で描いた黒い物体が ある事。 仕上げた絵では空から水面に降りてくる生物になって いるが、見る人に依っては黒い太い線にしか見えない かもしれない。 画材の特徴としては水彩紙に描いたというのと、 透明水彩の役割をアルキド樹脂絵具を使って描いた事。 放って置いてあった時は水張りしておらず、イメージが 具体的になってからパネルに張った。 |
秋田県の田沢湖へは一人旅だったけれども、東北巡りの 数日かけての旅行計画で、なかなか過密でハイだった。 なので湖を遊覧船から見ていると落ち着いた気分になり、 穏やかで割と明るい記憶がある。湖の色と森林や黄金の 像(伝説の美少女たつこ姫のブロンズ像)の記憶や 印象が残っている。過密な旅行計画が長い記憶の流れ として、或る1つの場所の感想だけでない感覚をダブら せるのだろうか。 変わった仕上がりになったが絵に出来て良かった。 本制作した作品と造り方が似ている作品があり、 過去に「月のアート展」という公募展に出品した作品で、 タイトルは「三兎」と「寂寥の黄弧」になる。 |
| タイトル:ぬめる灰色の雲際 | |
| アクリル塗料が余っていたので、板にドローイングして 出来た色やマチエールに、鍬形を構成した絵を合わせた。 灰色の背景を納得いくまで描いたり塗ったり、鍬形の 上にも樹脂を描いたり塗ったりして仕上げた。 当初予定していたものは絵具の盛上げを少なめにして、 マチエールに個性を持たせようとは思っていなかった。 けれども、「生息地」を描いた影響が出て来て今の 状態の絵になったと思える。 鍬形が描かれている薄い板に、その絵に合う色を塗った 裏板を張付けて完成させた。 アクリル塗料のドローイングからこの絵の雰囲気が 生まれた。 |
絵のイメージは死後の世界というか、違う世界を行く 感じを描いた。 上段の鍬形の背景が上手く仕上がらず、何度も手を 入れた。その手を加えていく行為が広がって、上段の 鍬形は盛上げがあり、それとの比較として下段の鍬形は 大体平面的な仕上がりになった。 |
| タイトル:臆病な恋 8年間 | |
| メディウム(リクイン)を使って仕上げまで描き上げる 制作方法は、この絵を描く前にも数枚の絵で使っている。 「初夏」という30号の絵を描いた時、制作に随分と 時間が掛かったと思っていたけれど、本作品にはそれを 遥かに上回る時間が掛かってしまった。 着想は何を描こうかと資料や写真を見ていて、いいと 思える植物の写真が数枚あったので、その写真に合う 形象を思い浮かべて下絵を描いた。その下絵と植物を 構成して完成図を造った。(形象は予め男女の人物を 漠然と考えていた) 人物の形象はモデルになる人が無く、線描で描いた 下絵の感じを活かせればと思いながら描いた。 男女の絵になるが、この絵を他の人がどう思うか感想を 聞いてみたい。 この絵は5コマに分かれているが、最初に画面全体を 描いて、絵に向かって上段右の躑躅、上段左の、下段の 舩腹草、両端の人物を仕上げ、最後に全体を見直して、 加筆修正して完成させた。 制作期間が8年位掛かったので、仕上げた順に絵の 感じが違うと思う。それぞれで、その時々の私の描ける ものの状態が示されていると思う。 力を入れた花の絵と形象から造った人物の絵の相性や、 花の写実性に人物の描写が追付けるかというのも時間が 掛かる事になった要因だった。 |
絵の上段にある白い花は奈良県で撮影した躑躅。その 隣の花は箱根で撮影した、下段の花も箱根で撮影した 舩腹草。 箱根には絵の題材探しも兼ねて、観光で訪れていた。 その時に撮影した写真を選んでモチーフにした。 奈良県で撮影した躑躅は祖母の家近くにあったもの。 よく晴れた日で結構そこら辺を歩いて風景等を撮った。 その日は祖母の葬式で親戚一同が来ていたが、散策して 写真を撮ったのは取材するという感じでは無く、 亡くなった事と葬式を記録するというはっきりした感じ でも無かった。 祖母の過ごしていた地域を歩いてその日の風景や感じを 撮影しようと思った。撮った数枚の写真の中で躑躅を 写したものがあり、よく撮れていたのでこの絵に 使用した。 「初夏」という絵のモチーフに使った草花も、この時に 撮影したものである。 完成に8年掛かったが、他の絵も制作しての断続しな がらの制作になった。公募展に出品する前年の春頃には 完成していたので、実際は制作に7年位で発表するのに 8年掛かったという事になる。 |
| タイトル:黒鬼灯 蘭(シンビジウム) 日々草 薔薇 大輪金糸梅 | |
| 兵庫県神戸市で行われている「花の絵コンクール」に 向けて制作している。 コンクールの題材が花をテーマにしたものなので、花を 描いていて、簡単な感じの絵で薄い色彩の絵や墨汁を 使った無彩色に近い絵がある。 写真を余り使わず、色鉛筆や水彩絵具でスケッチした 下絵を使ったり、実物をモチーフにしたりして制作した。 身近な植物を見つけて幾つかスケッチした中から選んで、構図を考えて制作した事もある。 |
黒鬼灯、蘭、日々草は買って来たもの。 薔薇は静岡県富士市の広見公園に咲いていたものを モチーフにした。(薔薇は2度書いている) 富士市では市民の花に薔薇を制定しているとか。 大輪金糸梅は祖母の家で。 昔は花や植物に気を掛けなかったが、風景を描く様に なってから、段々と立ち止まり見る事が増えた。 それと、20代前半に静物画のモチーフに造花をよく 描いていた事が思い出される。世間でも絵の題材として 花や植物が多く描かれているが、若い時から気に入って いたのかもしれない。 |
| タイトル:公園にある藤の木 | |
| 出品する公募展の要項ではスケッチ画が募集されていて、 ずるけないで描きました。写真で撮った風景を資料に するかどうかだったけれど、そういう制作法から浮遊 しかけていたのもありました。 他にスケッチを描く機会があるのかというと、「花の絵 コンクール」用や風景画を描くため位で、殆ど資料は 写真が多いです。 2015年位から不要な紙等に奔放に無造作にドロー イングし、それらから何かイメージが湧いてこないか という、先に何か描きたいモチーフが無い状態で描画を していました。 仕上がりそうもない、拙い描画を思い出すのと、外出して スケッチする事の準備や制作の計画、天気を気にしたり 他の人や周りを気にしたりするのとを、回想すると 随分ひたる物が違いました。 特徴は色紙を使った所、実家にあった画板を持ち出して 描いていました。 |
何処にでもある様な公園。 仕上がったスケッチ画は遠くまで空と雲と陸が続く 様だが、本当は遊具があってフェンスがあって アスファルトと住宅があります。車も。 本スケッチを下絵にして、油彩で制作しようかと 思いつつ、自分で描いたスケッチ画を越える事が 出来るのか、焼増しになるかも等を考えると腰が 重くなります。 |