| 制作に関係する着想や意図、経緯、創意工夫、技法、 制作に使った資料と、 下絵(エスキース)等についての紹介と説明 |
資料やモチーフにした地域、風景、モデル等の 紹介と説明、制作でのエピソード |
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| タイトル:奥飛騨 暮れる秋 16時頃の日差し | |
| 「日並みと陰日向」というデッサン作品があって、 制作に数年かかっている中で描画に間が空いた時期が あり(別の作品の制作や所用等で)、その時期の後 このデッサンの仕上げをするのに気が進まず、再び描く ステップに丁度タイミングが良かった作品。 本作品は鉛筆でのデッサンだが制作する前から蚊取り 線香で出来た基底材は出来ていて、これに何をどう 描こうかと考えていた。 シュールな雰囲気の群像はタイトルの地域と時間から 生まれ、実際に作品に出来ると思えたのは写真に撮った 光の加減から得られたと思う。 その影の群像を構成する下絵等、その土地に居なければ 出来ないし、この基底材がなければこの様な仕上がりには ならない完成になった。 イヴ・タンギーを何となく思い出してその作家の様な センスがあるのか、描く場所や状況で何か自分以外から 得られる事が有るのかと思える制作だったと、今思い 返っていました。 |
そこは、山岳地帯で紅葉等も無く私の創作に特別合う 環境では無いと思っていたのと、田舎の不便な暮らしを 生活して何か慣れたというか、とんとして過ごして いた時、唯一日差しが目に付いたか何か連想する物が 有ったか、影を動かして写真を撮っていた。 奥飛騨には観光地や温泉、登山、釣場等が有って絵の 題材になる所は沢山有るけれども、どうもそういった シーンを取上げる気持ちになれなくてこの題材を選ぶ 事になったと思う。時期(季節)や当時の私の嗜好に 外れていた様です。 暮れる秋の夕方の日差しが日本で季節を感じる光景で あり、その土地土地で様々に目にする事は多くの人が 体験しているとも思う。 |
| タイトル:きらめく翅 文月の蝶 | |
| 昆虫を描くのは予定していたので、有る資料の中から 興味の湧いた物を選んだ。蝶というよりもそもそも 昆虫を描くという気持ちが以前は全く無く、前作の鍬形が 無ければ今作もなかったと思う。動植物は描いていた けれども、昆虫になると良くも悪くも「子供」の連想や、 私の作風に向かない様に思い抵抗があった。今も昆虫を どう芸術や絵画に消化出来るのか分からないし、そう いった絵を中心に描いている作家も余り浮かんでこない。 (昆虫を描いて有名、名画といわれる作品が有る等の 意味で)前作みたいに弔うというのが合うのやら、人の 慣習や思想を当てはめるにも実際虫だし、ただ描写 しただけや好きな虫をどうとかという程、描きやすい 題材では無いです。 私にとっては。何だか難しい。 |
資料に使った蝶の写真は富士山にあるキャンプ場付近で 撮った物で、なぜ富士山かというと当時、「富士山登山 ルート3776」という登山をしていました。 登頂までに数日かかりましたが、ルールでは一気に 登らなくてもよく、登る区間で日を分けて登りました。 その行程で見つけた蝶です。 静岡県では昆虫という新しい題材が得られました。 なんで虫なのやら富士山でなくて。海や城・社寺等の 文化財もあるのに。 描いた昆虫は珍しい種類ではないでしょうが子供の 頃にはなかなか手に入らなかったり、今見ても綺麗 だったりした昆虫達だからというのも有るかも しれません。 |
| タイトル:稲光と火の玉 | |
| 身近に合った紙類にドローイングをしていって出来た 物が資料になっているが、馬はガス缶(CB缶)の 包装紙裏に描いたので独特の形が合わさっている。猪は 形が猪に似ていると思えたのと、描いた時の筆の タッチが縦横と色の格子縞が走っていて色の合わさりが いいなと思え選んだと思う。 ただ、動物の動きについては描画の勢いが強く出ていて、 描かれている動物の体つきは詳しく知識が無く、図鑑を 資料にして描いた。 |
本作は2021年に完成したが、下絵となった ドローイングはそれから4年前の物でその間どうにか 機会を見て造りたかった作品。 制作した本人にしか分からないであろう良さが下絵に 有り、それが私の絵の観方・制作法から違う部分が 有り、紙質の良くないカサカサのドローイングの味とか、 枠やパネルの支えがが無い紙の形の自由さとか、絵画 作品に無い作品として耐えられない切取られた様な 破れた様な断片的な物達っだったのです。 それらのままの方が私の感じた物が伝えられるのかも しれませんが、多分分からないと思うので本作で出来る 限り造り直し・再現しています。 |
| タイトル:承接模索 令和4年 | |
| 前作の制作法を一度だけで終わらさず、続けて模索した 作品。コラージュと色彩の配置、貼付ける素材の際の 処理等に気が行ってしまい、前作より新しい試みや私の コラージュとしての完成度を見せる事が出来たかは 自信が厚くない。 コラージュの貼り方はフラットを一貫しているが、 描画との組合せによって空間が生まれるので、それを 計画して造った。上手くいったかは見てみて下さい。 小さく切取り貼付けていく感じと、大まかにした部分の 違いを出す事を意識したい。また、もっと大まかに したり、貼付ける物の形にも特徴を持たせたりする のも考えていきたい。 |
敦賀港からはフェリーが発着していて、乗船した時や その海景を写真に撮っていた。船の旅という感じがし 敦賀港から敦賀駅までには(駅近くだが)漫画家の 松本零士作品のモニュメント像が並んでいる、 シンボルロードがあった。(本作品とは関係ないけど) 海岸沿いを行くと整備されている所があり漁港での 朝市や松原海水浴場、神社等があって、旅程の交通時 だったがぶらぶらして街並みを見た。 写真撮影時の年号は平成時です。 |
| タイトル:言葉は仮託に主想して、幽かに詩われた時 | |
| 一段下の作品欄の制作法で下絵やドローイングを描いて、 それを基に造りました。作者でも何が描かれているのか よく分からない下絵なのですが、最初のイメージは 岩場に居る大男と翔けようとする女性の動きを表した 絵と思っていました。けれども、構図や完成図を考えて いくうちに、大男が腕を上げて女性を鳥にするシーンに なり、祝福する女性が2人増えて、それを俯瞰し海岸が 現れ水平線と太陽がこの登場人達のある出来事に加わり ました。 具体的なストーリーは以上の様に無いです。この文章を 読むと内容が無いと思うかもしれませんが、見た人 それぞれで受取ってもらえればと思っています。 見た人の想像力に委ねています。 制作の意図や経緯ですが、これらの下絵を使って 一画面にどの様にモチーフを配置するか画面として 纏められるか、広がりを持てるかという感じだったと 思います。 工夫したのは用意した資料がいつもより多く、現代を 描いたものでは無い所や、古典を思わせる絵から受ける 連想を幾らか含んでいる所です。 技法や絵のイメージの頼りになったのは、イタリアの ルネサンスの画家ティツィアーノの古い画集です。 ですので、幾らか画集から拝借しました。女性の体形と 表情、背景の描き方等です。場面は日本の海沿いの 地域を描いていますが、登場人物がなぜか外国人なので 不思議な昔話しになっているという印象を持つというか、外国を描いたと思うのかもしれません。 制作法は「播種育生 往昔の蓮種」という作品があり、 その制作プロセスと似ています。アクリル絵具で描き 始めたので、この以前の制作法を参考にしながら仕上げ ました。 絵の大半をアクリル絵具で描き、仕上げを油彩で描き ました。グレース技法を多く使ったのも本作の特徴です。 |
本作品では鳥が描かれていて、静岡県の掛川花鳥園で 撮影したハイイロエボシドリを基に描いています。 けれども、下絵に合わせたので感じが違うと思います。 絵の中心にいる大男にモデルはいませんが、頭部の黄と 白、黒の模様はコガネグモという蜘蛛から着想しました。 なぜティツィアーノなのかというとその図書館では余り 絵画の画集が無く、他のルネサンスの画家だと聞いた 事が多いので抵抗があったからです。その先入観からと、 前にインターネットで検索していた時に見つけた印象 深い絵があって、もう朧げですがその絵を探していた のがあります。その絵は多分ルネッサンス絵画だったと 思います。(見つかっていない) 実際は描こうとしている絵に特別なイメージを持つ 女性がいるので、ティツィアーノはヴィーナスや美しい 女性の作品があるので助けられました。本作者は余り 人物を描きませんが原因は、身近に頼めそうな 男性・女性がいないからです。職業のモデルさんを 頼もうとも思うのですが、積極的になれません。 本作品のタイトル「言葉は仮託に主想して、幽かに 詩われた時」ですが、正しくは「主想は言葉に仮託して、 時に囚われたイメージ」です。 「主想は言葉に仮託して」はタイトルを考えている時に 絵以外の別の勉強をしていて、そこで読んでいた本に 書いていた語句からです。「時に囚われたイメージ」は ミュージシャンのR.J.D.の歌にあった歌詞からです。 正しい状態では受取る意味が固まりそうなのと、余り 良いイメージが湧かないと思えました。タイトルが強く 絵に影響するのはどうかと思うのと、絵を見た人 それぞれで受取ってもらいたいので本タイトルの様に、 語句として誤りに思える意味がちゃんと通じないものに しました。 詩の知識はありませんがシュールな感じが出ればと 思いました。「時に囚われたイメージ」が「幽かに 詩われた時」になるものだなと変わる言葉に少し感心 しました。記憶違いと誤訳の賜です。 絵の仕上げで表面の光沢や艶をどの様にしようか というのに時間がかかりました。世間の方はマッドな 表面を好む人が多いと思っていますが、グレース技法で 透明感のある絵になったのと、せっかく油彩を使って いるのだから油の良さが出ればと思って仕上げました。 油の美しさです。 |
| タイトル:承接模索 令和5年 | |
| 前年のコラージュ作品は文字(漢字)が多く入っている。 外国の方に興味を抱かせられればと狙ったものだった。 本作は短い制作期限の割に号数のサイズアップもあり、 大きくなったF50号サイズでの、初めてのコラージュ 作品。 意匠をどうするか、そもそも本「承接継承」という 国内・外国に出品して趣きが違ってきている、一連の 作品の方向性をどうしようかと気にしていた。 文字の使用を少なくしコラージュの色彩や画用紙の 白地を使ったり、大きな面積を色面にしたりする 意匠替えをしてみた。 もともと模索している状態なのに、表現の幅を広げる 事を突き進めてしまった。何時もなら無い速攻性状態 での制作日々だった。 下絵は2種類描いたが、モチーフが機関車なので 描く主題としてよく目立つので、構成を造りやすかった。 模索している時の感覚・要求が今回は、途中から完成を 詰めていく際、絵としてではなく自分の一つ一つの 作業の手先部分が造っていく所をひたすら、気持ちを 抑えながら形取っていたように思う。過ぎていく時間や 手の動きなどもよく見る事になった。 |
2020年に出品したスケッチ画公募作品展 (掛川市)を見にいく際に、市内を散策し、その時に 撮影したのが、公園に展示されていた蒸気機関車だった。 特別取材という感じではなかったが、その時に撮った 写真が絵のモチーフや、本webサイトの画像などで 使用できているので、撮っておいて良かった。 公園に展示されているこの蒸気機関車は、補修前と 補修後がある。パーツが無くなったり劣化があったり したので補修した様子。私が撮影したのは補修後の状態。 本作品はスペインでのジャパンウィークに出品したが、 日本の機関車なのでスペインの方々に分かってもらえる かと思えたが、まあまあ人気だった。スペインではrenfeという鉄道のAVE(特急)が走っていて、 セビリアへ行く際に乗車した。(撮影済み) |
| タイトル:志摩の気候と羊歯の道 | |
| 写真を撮って、見た時からいい風景だったので、 絵に描いてみたいと思っていた。 風景を今までに多く描いてきたが、今回はどの様にして 描いていこうかと下地や下塗りをしながら考えていた。 絵の感じが決まったのは書き込みが始まる手前、 だったと思う。いつもと違う風景になる様に使用する 色や色彩の構成も変えていった。 グレース技法も使ったが、余り画面がてからないように 仕上げられればと思っていた。砥の粉の効果が出たかも しれない。 資料は写真だが、撮った時は風景撮影のために 鳥羽や賢島をぶらぶらした。撮影から時間が経って いたので、描こうかどうしようかと迷っていたが、 久々に割と普通に風景を描いたと思う。 |
たまに登山しているが、日帰りで登れる山が多い。 ハイキング感覚がよく、食事するのも休憩するのも 楽しみ。横山がそれ程見晴らしのいい所とは 知らずに登った。今ではミシュランに載っているが、 当時はそうではなかったと思う。 この地方を幾つか撮影していったので、 またモチーフにして風景画を描くかもしれない。 また、リゾートなので宿泊してゆっくり観光 したいとも思う。できれば。 冬場でも、私が住んでいる地域より2~3℃ 暖かいので行くにはいいと思う。 太平洋の冬場はどんなだろうか。 |
| タイトル:連作 山里の軟らかな稲と風 | |
| 20年近く前に描いた小品を補修して、公募展で 発表出来るように仕上げた。 額装されているのは30センチ角位の大きさの作品 5点と最近描いた風景画1点。 杉と広葉樹の横板が手に入ったので、木材を活用した 作品を造ろうと思っていた。しかし、本当にこんな 作品が出来るとは思っていなかった。 横板を額装に利用した。縦3段で紐で吊るして 展示出来るように造っていった。 屋外で保存されていた木材なので、表面が劣化しており、 加工を頼んだり・手伝ったりしてくれた方々 大変ご苦労様です。 描画の技法は油彩。木板に綿布を張り、膠で溶いた 地塗り材を塗った基底材を使用したと思う。 修復時に制作当時のスケッチや写真もあったので、 補修する事が出来た。スケッチは色鉛筆で描いたもので、 線と色調が特徴だった。それを活かした絵を描ければと 制作当時に思って描いたと思う。 |
最近は描いていなかったが、私の身近な風景である、 祖母の住んでいた田舎を、前はよく描いていた。 長閑な所で昔から農業が行われている。私は法事や 草刈り・手伝いで最近は行く事がある。 補修についてだが、学園祭で展示後木板に張った絵を 一度剥がし、薄い紙板の基底材に張り直した。 それから最近になってまた(補修のため)木板に張り 直すという事をやったので、下地塗の絵が傷んで しまった。 本作の構想に耐えれるように基底材を造ったので、 それぞれの絵を補修・加筆していった。加筆の性質が ある仕上がりになった。 地塗りした絵を剥がして張り直すことを4作品程やった ので難儀した。装丁的な作業が1つの山場だった。 |
| タイトル:下絵、ドローイング、エスキース | |
| 制作でデザインや構図を考える時に作成する。線描の みで多数描く時もあるが、下絵をエスキースとして 描くのは数(バリエーション)が多くない。絵画制作 への準備やステップ・案内として造ります。 ドローイングは完成や具体的に何か描こうとして始める 事は少ないです。絵具が無造作に塗られているという 印象から変えられない物も多々あります。 どの様な作品にするか決めてもちゃんとした下絵を 描かないで直接始める事もあります。その場合は 制作途中の様子を写真で撮っている事が有ります。 記録という感じです。 |
これらの手法で作成する物は広い場所や時間や道具の 制約が緩いので、資料を見たりして集中できる所なら 作成出来ます。(多分…) アトリエといわず居室や郊外、旅行先、制作の合間とか 人によっては決まった場所がいいのかもしれないが、 私は場所を移して考えたり造ったりする事がなぜか多い。 よく慣れてもいない場所で作業出来るなと思う。 作成時にそういった時期や場所の影響が出るかも しれない。ただの下絵やドローイングにもその時々で 何かしら有るかもしれない。 |
| タイトル:洞庭藍、九蓋草、マリーゴールド、百合、躑躅、菖蒲 | |
| 植物の絵に人物が加わる事で喜怒哀楽が多く描けると 思い絵を構成している。(主に喜と楽ですが) イラストなので明るく分かりやすい感じを考える事が 多い。主役は植物だと思っているが、よく知られている 花よりも地味な花が身近に多いので、どの様に描けば 思った雰囲気を伝えられるかを考えている。 はがきサイズなので早く仕上がると思うが、意外と時間が 過ぎて完成までが延び延びになる。 |
写真を使わずに記憶だけで描いた作品と資料を見て 描いた作品がある。記憶だけでなので郊外で見かけた 花を観察して特徴を覚えて描いた。何度か色や形を 観察しに見に行った。きっちり書くよりも特徴を出して いこうという絵になった。 写真を資料とした作品は描写をみっちりする事になった。 けれども人物については資料が無いので、上記にある 特徴を出して描いた。 どの花も道端や公共的な花壇等に有った花で、制作時に 通りかかる事が頻繫に有った花は上記のように描く 事になった。 2022年の作品は資料が撮って有って(ストック) 制作にとても助かった。 |